しらぎく幼稚園
昨年に竣工したしらぎく幼稚園を3つのテーマで紹介します。
その1 外部空間 です。
共に育ち合うをテーマに自然と関わり元気に過ごす保育を実現出来きるよう
すべての保育室から園庭が見渡せる園舎になっています。
芝生の中庭と大きく伸びた庇のある外廊下や視界を遮らないようにガラス張り
とした保育室が外と中のつながりをつくり自由にのびのびと走り回れます。
登下校時には園児たちや父母、先生方が集まり中庭を中心に賑わいのある場
となります。
シンプルな外観ですが、人が集まり自然や遊具と相まって、そのときの瞬間を
移し込める園舎のひとつのスタイルを提案できたのではないかと思います。
その2 内部空間 です。
園児たちがふれあうことを大切にしている園ですので、床材や家具材は
園長先生と相談しぬくもりあるやさしい素材を選びました。
床材はパインの無垢材をメインに、家具や建具はぶつかってもケガの
しにくい調湿効果のある桐材としています。
園舎という大きなキャンパスにのびのびとした園児たちの生活や作品が
描けるよう、白木の柔らかい空間に出来る限りシンプルな構成となるよう
心がけました。
また、敷地の南側に配置した遊戯室では発表会を初め地域に開かれた様々な
行事が行われています。
南側の大きな開口からは小学校が望め、卒園式の時期には隣の梅畑に花が
咲きます。
春になったらその小学校に通う園児たちもいることでしょう。
ちょとしたきっかけを設けることで生まれるコミュニティや空間の広がりが、
豊かな保育環境につながればと思います。
その3 照明計画 です。
建築の重要な要素のひとつに光の計画があります。
今回は照明設計者とともに時代性に配慮し高効率で安全なやさしい光の計画
としました。
幼稚園全体を夕方のお迎え時にはシンボリックで家庭的な光とし、父母を迎え
園児を送り出すあたたかなシーンが生まれるように考えました。
また、照明器具は園児のスケールに近づけ小さめの器具を選定し、白すぎず
かつ行動を妨げないような落ち着いた光の色としています。
保育室には間接照明を用い全体を包み込むように明るくすることで、影を
落ちにくくし保育生活をより豊かにできるよう配慮しました。
今回保育環境を整える計画のお手伝いができたことは大変うれしく思います。
環境や教育方針など園によって様々な方針があると思いますので、園舎の配置や
プランも個性があってよいと思います。
園のコンセプトを大切にし建物をつくることで、特徴ある園となり地域環境や
これから幼稚園を選ぶ方々への提案ができたのではないかと思います。
お近くで興味のある方は是非お問い合わせ頂き、のびのびとした園舎で学んで
頂けたら幸いです。